旅の記録栃木県関東地方

火山が生みだした地形!日本三名瀑・華厳の滝にバスで行く~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の鉄道旅2023《4日目前編》~

旅の記録

どうも、島左近です。

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
今年は、今年こそは色々な野望を形にしていくでござる。

ということで、新年一発目は、2023年8月17日(木)~8月20日(日)の3泊4日電車旅4日目前編。
鬼怒川温泉から電車で約1時間、日光へ向かう。
日光からはバス約50分かけて、日本三名瀑の一つである華厳の滝(けごんのたき)に行く。
日光には10年ほど前に来たが、華厳の滝はこれが初めての訪問。
ここでは、なぜ華厳の滝が誕生したのか?地質の話も交えながら紹介していこうと思う。

旅のしおり

訪問日:2023年8月20日(日)

《前編》
8:46 鬼怒川温泉
↓ 東武鬼怒川線
9:09 下今市
9:15
↓ 東武日光線
9:23 東武日光
9:45 東武日光駅
↓ 東武バス
10:35 中禅寺温泉
★華厳の滝
★自然食の店 桐花/桐花食堂

★中禅寺ダム(ダムカード)

《後編》
12:15 中禅寺温泉
↓ 東武バス
12:44 神橋
★本宮神社
★輪王寺
★日光東照宮
★日光二荒山神社
★輪王寺 大猷院

16:46 大猷院二荒山神社前
↓ 東武バス
16:56 東武日光駅
17:19 日光
↓ JR日光本線
18:02 宇都宮
★宇味家 JR宇都宮駅構内店

19:22 宇都宮
↓ JR新幹線なすの282号・東京行
20:20 東京
20:33
↓ JR新幹線のぞみ93号・岡山行
23:00 新大阪

日本三大名瀑の華厳の滝

8:35
4日目最終日スタート。宿から歩いて鬼怒川温泉駅に到着。
鬼怒川公園駅と比べて、観光地っぽい雰囲気が漂う。
ここにも鬼がいた。

顔出しパネルも設置されている。さすが。

8:46
鬼怒川温泉駅発の電車で約30分かけて日光へ向かう。
ちなみに次の駅「東武ワールドスクエア駅」には、かなり気になる珍スポットがある。
今回は、日程上断念するがまた行ってみたい。

東武ワールドスクウェア|世界の遺産と建築物のテーマパーク (tobuws.co.jp)

9:23
東武日光駅に到着。
荷物をコインロッカーに預けて、東武日光駅ツーリストセンターで中禅寺温泉フリーパス(2300円)を購入。
東武日光駅~中禅寺温泉まで1250円なので、往復でもとがとれる。
バスはほぼほぼ外国人観光客ばっかりだった。

日光の各種バスフリー券|乗車券|東武バスOn-Line (tobu-bus.com)

10:35
中禅寺温泉のバスターミナルに到着。
バスターミナルからは歩いて5分くらいで華厳の滝に到着。
ゆばコロくんがお出迎えしてくれた。

涼しげな音が聞こえる。
緑の隙間から華厳の滝が顔を覗かせる。これは美しいぞ。

急ぎ足で有料観瀑台に向かう。
料金570円を払って華厳滝エレベーターに乗って100m下ると滝はすぐそこに。

華厳滝エレベーター – 華厳滝の壮大さは観瀑台に立った時に初めて、感嘆の声と共に 実感されるでしょう (kegon.jp)

絶景!夏だったので、緑が映えてまた美しい。
これは偶然青空が見えた瞬間に撮れたお気に入りの1枚。

ちなみに、この華厳の滝の落差は97mで、那智の滝(和歌山県)、袋田の滝(茨城県)とともに日本三名瀑の一つに数えられる。
上流側には面積11.5平方キロメートルの中禅寺湖があり、その東岸から大尻川が流出し、約500m下流で華厳の滝として落下している。
滝面を構成している岩石は、すぐ北側の日光火山群に属する男体山(なんたいさん)からの噴出物である華厳溶岩である。

出典(一部加筆):産総研地質調査総合センター, 20万分の1日本シームレス地質図V2(地質図更新日:2023年5月10日), https://gbank.gsj.jp/seamless/index.html

地質図を見ると、ちょうど男体山からの噴出物(地図の灰色の部分)の末端付近に華厳の滝があるのがわかる。
中禅寺湖は約2万年前にこの男体山から噴出した溶岩によって堰き止められた湖で、華厳の滝もそれに伴い形成されたと考えられている。

男体山は約3万年前に活動を開始し、約1万7千年前までには主に安山岩を噴出する噴火を繰り返し現在の火山体が形成された。
ちなみに、この男体山の最新の噴火は約7000年前であることが確認されていることから、活火山(概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山)に選定されている。
なお、現在は噴気活動は認められていない。

華厳の滝の滝面は、下部華厳溶岩(約3分の1)と上部華厳溶岩(約3分の2)の2枚の溶岩からなる。
華厳溶岩は下側が大きな岩がゴロゴロしている角礫部、上側が均質に固まった塊状部のセットで構成されている。
写真でみられる滝面の凹凸は、角礫部と塊状部の強度の違いによって生み出されたものである。
強度が弱い角礫部は、落下する水で削られるため凹んでしまっているのだ。

上部華厳溶岩の塊状部は、柱状節理(ちゅうじょうせつり)が発達している。
柱状節理とは、比較的厚い溶岩が冷えて固まるときにできる規則正しい柱状の割れ目のことを指します。
溶岩は冷えると体積が収縮して割れ目ができる。溶岩は表面から内側に向かって冷えるため、割れ目は内部に向かって成長するため、このような柱状の割れ目になるのである。
形は六角形であることが多いが、五角形や四角形の場合もある。

兵庫県豊岡市の玄武洞(げんぶどう)や福井県坂井市の東尋坊(とうじんぼう)などでも、美しい柱状節理の姿を目にすることができる。

滝の真ん中あたりをよくみると幾筋の小さな滝(十二滝)が見られる。
これらの正体は、上部華厳溶岩の集塊部と塊状部の境目からの湧き水で、下部華厳溶岩の塊状部を沿って流れ落ちたものである。

ちなみに華厳の滝の反対側には、涅槃の滝を見ることができる。

大量の写真撮影に満足したので、有料観瀑台を後にする。
写真は有料観瀑台に向かうエレベーターのある施設である。

こちらは無料展望台からの華厳の滝。
有料観瀑台では正面の姿を見ることができるが、ここからは上から滝を見下ろすことができる。
これまた美しい景色である。

滝口をズーム撮影。迫力のある1枚である。

ちなみに、華厳の滝は日光山を開山した勝道上人が最初に発見したそうで、「華厳」の名前は仏教経典の華厳経に由来するらしい。

[参考文献]
早川裕一; 松倉公憲. 日光, 華厳滝の後退速度. 地学雑誌, 2003, 112.4: 521-530.
気象庁|男体山 (jma.go.jp)
日光火山群の地質 (finding-geo.info)

絶品!ゆば丼を食す

11:05
約30分間の華厳の滝撮影を終え、早めのお昼ご飯。
華厳滝エレベーターに向かう道路沿いにある「桐花」という店に入店。
運よくちょうど店に入った途端大雨が降ってきた。
ゆば丼(1200円)を注文。
お蕎麦もついてこのお値段。非常に美味であった。

桐花(食べログ)

11:38
雨もまだ止まぬうちに店を出て、中禅寺温泉バスターミナル横の日光自然博物館に向かう。
目的はマンホールカードを手に入れることである。
だがしかし…さすが観光地…。

マンホールカード配布終了のお知らせ。

ということで、次の目的地「中禅寺ダム」に向かう。

ちなみにこの博物館。手作り感満載の顔出しパネルが多数設置されていた。
時間があればゆっくり見て回りたいところ。今回は断念。
日光自然博物館では、サイクリング用のレンタサイクルの貸し出しも行っているので、中禅寺湖周辺のサイクリングの際はお世話になることもあるはず。

日光自然博物館 (nikko-nsm.co.jp)

ダムと呼ぶには小さすぎる!?中禅寺ダムでダムカードを手に入れる

11:44
日光自然博物館から歩いて3分、中禅寺ダムに到着。
中禅寺湖と華厳の滝のほぼ中間地点につくられた重力式コンクリートダムである。
このダムの目的は、中禅寺湖の湖面水位の維持で、それに伴い下流の華厳の滝の流水量も変動する。

ちなみにこのダム、堤高6.4mと非常に低く、河川法によるダムの定義「河川の流水を貯留または取水するため、河川管理者の許可を受けて設置された高さ15m以上の構造物」とは大きくかけ離れている。
15mより低いものを堰(せき)というが、こちらの中禅寺ダムは堂々と「ダム」と名乗っている。
これはなぜだろうか?

中禅寺ダムのパンフレットにはこの謎について書かれている。
「河川法施行以前の昭和35年(1960年)から運用が開始されているため」
だそうだ。

言ったもん勝ちという感じなのだろうか?

中禅寺ダムのパンフレットはこちら→tyuuzennji.pdf (tochigi.lg.jp)

ダム管理所でダムカード2枚をいただく。
なんと2023年で栃木県は、明治6年(1873年)当時の栃木県と宇都宮県が合併して誕生してから150年を迎えたとのこと。
それを記念したレアなダムカードも一緒に手に入れることができたのだ。

12:15のバスで日光駅方面に戻り、いよいよあの家康が眠る地「日光東照宮」へ向かう。
〈4日目後編につづく〉

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