旅の記録栃木県関東地方

徳川家康が眠る地、世界遺産・日光の社寺を巡る~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《4日目後編》~

旅の記録

どうも、島左近です。

2023年8月17日(木)~8月20日(日)の3泊4日電車旅4日目後編。
華厳の滝からバスで約30分かけて日光駅方面に戻り、世界遺産・日光の社寺を巡る。
実に11年ぶりの日光。人生初の泊まり一人旅の思い出の地でもある。
今回は、神橋をスタート地点に、本宮神社、輪王寺、日光東照宮、日光二荒山神社、輪王寺 大猷院を約3時間半かけてゆっくり歩いて参拝。
ゆっくりすぎて後半はやや駆け足になってしまった。
さすが世界遺産ということで、ほとんどが外国人観光客でかつ人も多い。
殿(石田三成)の仇である家康殿の墓参りもしてきたでござる。
帰りは宇都宮で途中下車して、餃子とビールを食して帰る。

1日目、新潟のパワースポット編はこちらから☟
新潟のパワースポット!彌彦神社と弥彦山~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《1日目》~

2日目《前編》、只見線の旅はこちらから☟
青春18きっぷで只見線を乗りつぶす!~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《2日目前編》~

2日目《後編》、会津若松編はこちらから☟
鶴ヶ城(会津若松城)を城攻め!レンタサイクルで会津若松の町を駆け巡る!~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《2日目後編》~

3日目《前編》、大内宿の旅はこちらから☟
大内宿で江戸時代にタイムスリップ!?茅葺集落の建ち並ぶ宿場町~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《3日目前編》~

3日目《後編》、鬼怒川温泉廃墟編はこちら☟
ある意味珍スポットの宝庫!鬼怒川温泉で廃墟を巡る~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《3日目後編》~

4日目《前編》、華厳の滝編はこちら☟
火山が生みだした地形!日本三名瀑・華厳の滝にバスで行く~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《4日目前編》~

旅のしおり

訪問日:2023年8月20日(日)

《前編》
8:46 鬼怒川温泉
↓ 東武鬼怒川線
9:09 下今市
9:15
↓ 東武日光線
9:23 東武日光
9:45 東武日光駅
↓ 東武バス
10:35 中禅寺温泉
★華厳の滝
★自然食の店 桐花/桐花食堂

★中禅寺ダム(ダムカード)

4日目《前編》、華厳の滝編はこちら☟
火山が生みだした地形!日本三名瀑・華厳の滝にバスで行く~新潟・福島・栃木 3泊4日夏の電車旅2023《4日目前編》~

《後編》
12:15 中禅寺温泉
↓ 東武バス
12:44 神橋
★本宮神社
★輪王寺
★日光東照宮
★日光二荒山神社
★輪王寺 大猷院

16:46 大猷院二荒山神社前
↓ 東武バス
16:56 東武日光駅
17:19 日光
↓ JR日光本線
18:02 宇都宮
★宇味家 JR宇都宮駅構内店

19:22 宇都宮
↓ JR新幹線なすの282号・東京行
20:20 東京
20:33
↓ JR新幹線のぞみ93号・岡山行
23:00 新大阪

日光二荒山神社発祥の地、本宮神社を参拝

2012年9月6日撮影

12:44
バスで中禅寺温泉バスターミナルから約30分、神橋(しんきょう)に到着。
ここから日光の社寺巡りをスタートさせる。
今回神橋の撮影を忘れてたので、写真は2012年のものを使用。
ちなみにこの神橋は300円で渡ることが可能。

奈良時代の末に勝道上人が日光山を開く際、大谷川の急流に行く手を阻まれ神仏に加護を求めたところ、深沙王(じんじゃおう)が現れ2匹の蛇を放ち、その背から山菅(やますげ)が生えて橋になったという伝説を持つ神聖な橋です。
別名、山菅橋や山菅の蛇橋(じゃばし)とも呼ばれています。

神橋|体験・観光スポット |【公式】日光市の観光サイト 日光旅ナビ (nikko-kankou.org)

南光坊天海(なんこうぼうてんかい)殿と出会う。
100歳を超えるまで生きたといわれる怪僧である。
関ケ原の戦い以降、家康殿の晩年にブレーンとして活躍し、明智光秀殿と同一人物であるという説もあるほど謎多き人物である。
家康殿が亡くなると、その遺言を守り久能山(静岡県)から遺骨を日光に移して、東照宮の創建に尽くした人物である。
家康殿の神号を巡っては、以心崇伝殿と争い、最終的には天海殿の主張する「権現」で祭ることが決定されたのである。

天海殿は江戸幕府3代将軍家光殿にも仕え、江戸の都市計画に携わり、江戸幕府初期の政策に深く関与している。
関ケ原の戦いの際にも参陣していたという話もあるが、拙者は会ったことはない。

天海殿とお別れし、大谷川と信号を渡ると見えるのが「日光の社寺 世界遺産登録記念碑」である。
日光の社寺は、1999年(平成11年)に世界遺産に登録されている。
その内容は、日光山内にある日光東照宮、日光山輪王寺、日光二荒山神社の103棟(国宝9棟、重要文化財94棟)の「建造物群」と、これらの建造物群を取り巻く「遺跡(文化的景観)」が含まれる。

最初に向かうのは本宮神社(ほんぐうじんじゃ)。
先ほどの記念碑から道路沿いに右側に進み、本宮神社の参道に入っていく。

緑に囲まれた参道は、人ともほとんど出会わず空気が気持ちよい。

本宮神社は、日光開山の祖である勝道上人が、790年に初めて足を踏み入れ小さな祠を建てた場所といわれている。
日光二荒山神社発祥の地であり、開運の神社ともいわれているらしい。

開運の石鳥居。一礼してくぐる。

笈掛け石(おいかけいし)。
看板によると、「勝道上人が笈(おい:行脚僧、修験者などが、仏具・衣服・食器などを入れて背に負う箱)を掛けたといわれる石」だそうだ。
若返るらしいが、どうすれば若返るのだろうか?
方法は書かれていないが、石の上には乗らないで下さいと書かれている。

日光二荒山神社の別宮ではあるが、観光客の姿は見られない。
呼ばれた者だけが来れる場所なのかもしれない。

こぶ杉。
この杉のこぶをなでると喜びが廻ってくるらしい。
ちゃんとなでておきました。

開運笹。
この笹にふれると開運の御利益があるそうで、もちろん触れている。

本宮神社奥の四本龍寺(しほんりゅうじ)にある不動明王立像護摩壇。
山伏が屋外で護摩修行をするためのもので、石造りで常設されている例は全国でも珍しいらしい。

重要文化財の四本龍寺三重塔。
日光山24世座主・弁覚上人が源実朝公の供養のために1241年に東照宮境内付近に建立し、その後この地に移築されたとのことである。
現在の塔は、1684年の大火で焼失した翌年に再建されたものである。

日光山輪王寺 三仏堂と逍遥園

13:13
本宮神社をあとにして日光山輪王寺に向かう。
その道中で日光開山の祖・勝道上人(しょうどうしょうにん)と出会う。

輪王寺本堂である三仏堂(さんぶつどう)。
現在の建物は1945年に家光殿によって建て替えられたものである。
右側の葉が茂っている木は、推定樹齢500年の金剛桜である。

ここから先は有料区域。
三仏堂・大猷院・宝物殿セット券を1000円で購入し参拝。
大猷院は家光殿の廟所(墓所)で、一番最後に訪れることになる。

拝観について | 輪王寺 (rinnoji.or.jp)

宝物殿に隣接する逍遥園(しょうようえん)。
深緑の苔と新緑の木々が美しい。
一説には小堀遠州殿の作と伝えられている。また遠州殿か。

大きな鯉も泳ぐ庭園。曇り空なのが少し残念。
この後三仏堂に参拝し、いよいよ東照宮に向かう。

徳川家康が神として祀られる日光東照宮

14:07
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)に向かう。人が多すぎる。
写真を撮ろうとすると、勝手に他人の記念写真を撮影する感じになるのでこの構図になってしまった。

日光東照宮は、1617年江戸幕府初代将軍徳川家康殿を神格化した「東照大権現」を主祭神として祀る神社である。
駿府城(静岡県静岡市)にて75歳で亡くなった家康殿は久能山(静岡県静岡市)に葬られる。
遺言により、1年後に現在の地に移されることとなる。
現在のようなきらびやかな姿は、3代将軍・徳川家光殿の代になってからの1636年「寛永の大造替」で完成したものである。

そう、家康は神となったのである。

拝観受付の手前に建てられている五重塔。
1650年小浜藩主の酒井忠勝殿によって奉納されたが、火災にあい1818年に同藩主酒井忠進殿によって再建された。

これより先は有料区間。
ネットで事前購入した単独拝観券(1300円)のQRコードを拝観受付で見せて紙チケットと交換する。
拝観受付は並んでいたので、事前購入しておくと便利である。

日光東照宮ホームページ|拝観時間・料金 (toshogu.jp)

こちらは神厩舎(しんきゅうしゃ)。
神厩舎とは、神馬をつなぐ厩のことを指す。

知らない人はいないのではないだろうか?
「見ざる、言わざる、聞かざる」を示す三猿の彫刻である。
猿は馬を病気から守るという信仰が昔からあるそうで、厩に猿の彫刻があるらしい。
ちなみにこの猿の彫刻は八面あり、人の一生を物語に表しているらしい。

わくわく!日光の社寺たんけん (nikko-syaji-tanken.jp)

祭具を入れておく倉である三神庫。
これまたきらびやかである。

1618年肥前佐賀藩主の鍋島勝茂殿が奉納した水屋。
水盤も柱も花崗岩が使われている。

天海殿の一切経(『大蔵 (たいぞう) 経』ともいい、釈迦の説いた教えを文字としたものを経蔵,教団の規律を律蔵,後世の仏教徒が演繹 (えんえき) 注解したものを論蔵といい,この三蔵の総称)を納めた経蔵で、内部には輪蔵という八角形の廻転式大書架輪蔵があるらしい。

陽明門手前の右側に鉄灯籠がある。
この灯籠は仙台藩主伊達政宗殿が奉納したもので、ポルトガルから鉄材を運んで鋳造したものである。
さすが政宗殿である。粋なことをなさるお方だ。

「藤原朝臣政宗」という銘がある。

陽明門の横に広がる廻廊と灯籠。
彫刻一つ一つの細かい表現は本当に美しい。

国宝の陽明門(ようめいもん)。
一日中見ていても飽きないほどの美しさから「日暮し門」とも呼ばれるらしい。
本当に美しい。
屋根の真ん中部分には鬼の面がついている。

後水尾天皇の筆といわれる「東照大権現」の額がかけられている。
また、陽明門には様々な平和の願いを込めた彫刻がある。

琴を弾いている。

笛や太鼓を演奏。

囲碁をたしなむ。

陽明門には12本の柱があり、「グリ紋」という渦巻文様が刻まれている。
このうち一本だけがその文様が下向きになっている「魔除けの逆柱」がある。
写真の左奥の柱がその逆柱にあたる。
完璧な状態にはすぐに魔が差し始めるとされることから、逆柱を設けて未完の状態であることを示し、崩壊を防ぐことが目的であると考えられている。
逆柱は本殿と拝殿にもみられるそうだ。

こちらも国宝の唐門(からもん)。
奥は御本社で中に入って参拝することができる。
中では色々説明をしてくれるのだが、話の最後にお守りの宣伝がある。
11年前に買った気がするが、どこにいったのかしら?

これまた有名な眠り猫(ねむりねこ)。
牡丹の花に囲まれ日の光を浴び、うたたねをしているところから「日光」に因んで彫られたともいわれている。
この下を通って、奥宮へ向かう。

眠り猫の裏側には雀(スズメ)。
猫と雀の関係は以下のような解釈がなされている。

猫は、雀のような小動物を捕獲して食べてしまう。これを踏まえれば、東照宮の「眠っている猫」と「竹林に遊ぶ雀」の組み合わせは、「猫が眠っていることで雀のような弱者も安心して暮らせる。家康公によって弱肉強食の戦国時代が終わり、平和な世界が訪れたことを示している」

【日光東照宮外伝】眠り猫 眠っているからこそ「平和の象徴」に – 産経ニュース (sankei.com)

奥社への道は険しい階段を登って進む。
家康殿の遺訓冒頭部分「人の一生は重荷を負いて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。」
11年前にこの遺訓を初めてこの地で見て、この言葉がなぜか心にグサッと刺さった。
以下、東照公御遺訓全文である。

人の一生は重荷を負ひて遠き道をゆくが如し いそぐべからず
不自由を常とおもへば不足なし
こころに望おこらば困窮したる時を思ひ出いだすべし
堪忍は無事長久の基 いかりは敵とおもへ
勝事ばかり知りてまくる事をしらざれば害其身にいたる
おのれを責せめて人をせむるな
及ばざるは過すぎたるよりまされり

家康殿は好きではないが、この考えは人生において大切な考えであると思う。
ちなみにこの御遺訓の写し(自筆)は、我が家の厠に貼ってあるので毎日目にしている。

奥宮に到着。家康殿の墓所である。
ここはちゃんと手を合わせて墓参り。

奥宮から戻ってきた。
唐銅鳥居と奥にみえる陽明門は画になる場所である。
あいにく人が多すぎるので上向きの角度になってしまっているが。
ちなみにこの鳥居は最古の青銅製鳥居であるらしい。

男体山が御神体!日光二荒山神社

15:38
日光二荒山神社(にっこうふたらさんじんじゃ)を参拝。
東照宮の左側の道を進んで行くと、この楼門にたどり着く。

よくなり「ます」ように!
良い縁がめぐり「ます」ように!
こういうの好き。ますます幸運が訪れます。

拝殿でお参り後、面白い狛犬を発見。

とりあえず全部触ってきたけど、人気No.1部位を発見。

頬っぺただけ触られすぎて黒くなっている!!
皆さん良縁を望まれているのです。

この先は有料区域。拝観料300円を払って参拝。
弘法大師御手植えの高野槙。弘法大師はどこにでも来ているのか…。

これまた面白い灯籠を発見。
なにやら厳重に囲まれている。

複数の刀傷がついた青銅製の灯籠。
江戸時代の侍が、この灯籠の明かりを亡霊の炎と見誤り斬りつけたといわれるそうだ。
亡霊は斬れないはずだが、それくらい不気味な明かりを灯していたのかもしれない。

刀傷がちゃんと残っている。

御神木の根元には四葉のクローバーが植えられている。

日光連山の遥拝所。日光連山を模した岩が置かれている。

本殿を後ろ側から。
二荒山神社に入ってから雷の音が聞こえ始めたのでビビりながら参拝。
雨はなんとか降らずに参拝終了。

神門から退出。

3代将軍徳川家光殿の廟所!輪王寺 大猷院

16:05
輪王寺 大猷院(りんのうじ たいゆういん)にギリギリ滑り込みで拝観。

大猷院は、江戸幕府3代将軍徳川家光殿の廟所(墓所)である。
祖父である家康殿を凌いではならないという遺言により、金と黒を使用し重厚で落ち着いた造りになっているそうだ。

ちなみに8月じゃなかったら閉門の時間なのでご注意を。
拝観には、輪王寺のセット拝観券で入ることができる。

4月〜10月 午前8時(開門)〜午後5時(閉門)
11月〜3月 午前8時(開門)〜午後4時(閉門)
※拝観受付は、いずれも閉門30分前で終了させていただきます。

拝観について | 輪王寺 (rinnoji.or.jp)

立派な仁王門。見ての通りここで大雨に遭う。
11年前に日光に来た時も大雨に降られた記憶がある。

佐賀藩主鍋島勝茂殿が寄進した御水舎。
東照宮にあったものと同様、花崗岩でつくられたものである。

天井には龍の絵が描かれている。

二天門。日光で一番大きな門である。
時間的なものか、人が全然いないこともあり、何か神秘的な感じがした。

さらに夜叉門を通る。

唐門。奥に拝殿と本殿がある。
このあたりで奇跡的に小雨になった。

奥の院の入り口である皇嘉門(こうかもん)。
明朝様式の竜宮造りで竜宮門と呼ばれるらしい。
この先で家光殿が眠っておられる。ここでもしっかり手を合わせる。

16:31
拙者が最後の参拝客だったのか、閉門していた。
帰りのことを何も考えていなかったが、偶然目の前のバス停にバスが停まっているのを発見。
幸運にも、16:46発のバスに乗ることができたのである。
バスに乗った瞬間、大雨が再び降ってきた。
どこまでも幸運に恵まれた男である。

17:03
バスで東武日光駅に戻り、コインロッカーで荷物を取り出して、JR日光駅へ歩いて向かう。
東武日光駅とJR日光駅は歩いてすぐの距離にある。

お洒落なつくりの駅舎。

電車の時間まで時間があるので駅舎の中を見て回る。
これまた手作り感満載の顔出しパネル。こういうの本当に良い。

駅名の看板もレトロでいい。

ランプもいい雰囲気を出している。
17:19の電車で宇都宮駅に向かう。

宇都宮餃子!佐野ラーメン!ビール!最高!!

18:09
宇都宮駅構内にある「宇味家(うまいや) JR宇都宮駅構内店」に入店。
これまた運良く並ばずに入ることができた。
生ビールセット(餃子6個・キムチ・メンマ付)1210円を注文。
疲れた身体にビールが沁みわたる。最高!!

元祖 宇味家 JR宇都宮駅構内店

焼き餃子!最高すぎる!!めちゃくちゃ美味!!!

佐野ラーメン(986円)も注文。
これまた最高!!!雨で冷えた身体を温めてくれる。
最高の旅の締めくくりになった。

<完>

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